子育てや人間の秘めたる「エネルギー」についてお話ししましょう。
もし今、あなたが進路や仕事のプレッシャーだけでなく、「うちの子、全然言うことを聞かなくて……」「落ち着きがなくて、周りに迷惑ばかりかけて本当に困っている」と、子育てに胃を痛めているなら、私の5歳の頃の話を聞いて、どうか声を大にして笑ってほしいのです。
私が5歳の頃、叔母の結婚式で母の実家がある青森へ行きました。私はちょうど団塊ジュニア世代で、歳の近い従弟たちがたくさん集まっていたのですが、そこでの私の振る舞いは、他のみんなとは完全に「異次元の領域」でした。
祖母の家に着くなり、私は障子の紙をべりべりと、上から下まで豪快に破り取ったかと思うと、一緒に行っていた4歳年上の実の姉と大喧嘩をおっぱじめたのです。 これまでたくさんの孫を相手にしてきた祖母が、私のその破壊的な行動を見て、 「こんなに落ち着きのない子供、初めて見たわ……」 と、驚き、呆れ、本気で怒っていたのです(後に母親から聞いた話し)。
当時は「扱いにくい、困った子供」の筆頭だったわけですね、私。
時は流れ、私たちは社会人になりました。 子供の頃、とても大人しくて賢く、私の進学した地方の国立大学なんかよりも遥かに高い偏差値の有名国立・私立大学へ進学していった従弟たちのうち、何人かは、社会に出てから上手に振る舞えず、苦しむことになりました。 良い学校へ進学すること=人生が安泰になるわけではないという現実が、皮肉にも浮き彫りになったのです。
この結果を見て、私は確信しています。 人間、小さい頃に周囲に迷惑をかけるくらいの「爆発的なエネルギー」を秘めていないと、大人になってから社会や周囲を変えるほどの影響力を与えることなんてできないのです。
工学の法則と同じです。最初に発生したエネルギーの総量が小さければ、どんなに綺麗に整えても、そこそこの出力しか出ません。逆に、初期値が爆発的に大きすぎて、周りの壁(障子)を壊してしまうような扱いにくいシステムこそ、のちに本質を掴んだとき、とてつもない大仕事を成し遂げるのです。
ですから、今現在、子供が言うことを聞かなくて困っているお父さん、お母さん。 悩む必要なんて、1ミリもありません。
その子は今、未来に向かって自分のエンジンを全開で回し、エネルギーの最大出力をテストしている最中なのです。将来、間違いなく大物に成長する証拠ですから、どうか「よしよし、いいエンジンを持ってるな」と、大きな心で面白がって見てあげてください。
破られた障子はまた張り替えればいいですが、子供の持つ爆発的なエネルギーの初期値は、一度縮こまらせてしまったら二度と取り戻せないのですから。


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